食堂の連絡や予定をスマホにまとめる、社内業務アプリ「Fone(FreyOne)」を作りました。
「今日の昼食は何食?」「夕食の主菜は?」「次の勤務はいつ?」「さっきの連絡、誰か対応できるかな?」
食事を準備する仕事には、料理を作る前にも、途中にも、確認したいことがあります。Foneでは、チャット、献立、予定食数、シフト、タスクをひとつのアプリで扱えるようにしました。
使い方の軸は、連絡する、予定を見る、やることを残す。 毎日の仕事に沿って、必要な情報へ進める構成です。
アイキャッチと紙の取り込みの説明図は、FoneのロゴやキャラクターをもとにAIで制作したイメージです。本文の献立画面は、ローカルのデモデータを使って撮影した実画面です。
開いたら、連絡と今日の食数が見える
Foneにログインすると、最初にチャットが開きます。
画面上部には、今日の日付、昼食と夕食の予定食数、それぞれの主菜をまとめました。連絡を読んでいる途中でも、「今日は何を何食用意するのか」を確認できます。ここに表示する食数は、食事の準備に使う予定の数です。
詳しい献立は専用画面で確認できます。主菜だけでなく、副菜や汁物まで一覧で見られるので、ヘッダーでは今日の概要を、献立画面では料理全体を確認する使い分けができます。

デモの献立画面。表示されている食数や料理は紹介用のデータです。
連絡を、そのまま「やること」に残す
チャットは文章に加え、写真、動画、PDFを送れます。自分が送った連絡には既読人数が表示され、吹き出しを長押しすると、返信やコピーなどの操作を選べます。
食堂の連絡では、「キャベツが少ないです」のように、その後の対応につながるひと言もあります。Foneでは、こうした文章をチャットからそのままタスクに登録できます。送るときにタスクを一緒に追加することも、送信済みの連絡をあとからタスクにすることもできます。
宛先は最初から「全体向け」。担当を決めたいときだけ、人を選びます。自分宛の未完了タスクはチャットの上にも出るので、連絡を見に来たときに確認できます。人を指定したタスクも、一覧はスタッフ全員で共有します。
終わったら完了にする。間違えたら未完了へ戻す。短い連絡を、対応が終わるまで追える形で残す機能です。
話した内容を、確認できる文章にする
文字で入力するほかに、音声から連絡の下書きを作る機能も入れました。
送信ボタンの左にある上向きの印から追加メニューを開き、音声入力を選びます。録音は最大2分。話し終えると文字起こしを行い、「入校」「卒検」など、自動車学校の仕事で使う言葉を踏まえて文章を整えます。
対応が必要そうな内容は、タスク候補として確認できます。たとえば食材の不足を話したときは、文章と候補を見直し、必要なら修正してから送信します。
話した内容が、そのまま勝手に送られることはありません。 最後に本人が確認して送る流れです。文字起こしに失敗したときは同じ録音で再試行でき、文章の補正だけが失敗した場合は、文字起こしできた内容を使えます。
音声の処理にはGoogleのGeminiを使います。録音データをAIへ送って処理しますが、Foneのチャットやファイル保存領域に録音そのものを残す仕組みにはしていません。
シフトと食事の予定を一緒に確認する
「予定」では、自分の勤務と全員の勤務を切り替えて確認できます。2週間のシフト表には、日付、昼・夕、予定食数、献立、担当者をまとめています。
普段の予定確認は閲覧用の画面で行い、編集する担当者は「シフト管理」を開きます。勤務をスタッフ別のチェックで登録でき、必要なときは時間や補足を詳しく設定できます。予定食数も、担当権限を持つ人が入力します。
献立やシフト管理を開いて戻ったときには、見ていた日付や表示対象を保つようにしました。別の情報を少し確認してから、元の予定の続きを見られます。
繁忙期だけ来てもらう応援スタッフも、在籍したまま普段の一覧から隠せます。勤務がある日にはシフトに名前を表示し、必要なときに確認できる形です。
紙の表も、確認してから取り込む
献立表、予定食数の表、シフト表を、写真やPDFから取り込む機能も作りました。
AIが読み取った結果は、まず確認用の下書きになります。担当者が原本と照らし合わせ、読み取った名前を登録済みのスタッフに対応付け、日付、数字、勤務の内容を直します。既存データとの差分を確認してから、アプリ内へ公開します。

取り込みの流れを表したAI生成の説明図です。実際の操作画面ではありません。
シフトの読み取り結果は、日付と昼・夕を行に、スタッフを列にしたチェック表で確認します。読み取りが曖昧な箇所は黄色で示し、「要確認へ」から開いて、「確認済みにして次へ」で順番に見直せます。途中で保存して、あとから続きを確認することもできます。
この画面は、当初の大きな編集カードから、一覧を見渡せるチェック表へ作り直しました。確認する項目が多い紙の表だからこそ、全体を眺めることと、一か所ずつ確かめることの両方を大切にしています。
毎日使う画面を、少しずつ整える
Foneの画面は、青と緑のFロゴを軸にしたライトモードです。連絡の本文は黒い文字、自分の吹き出しは淡い青にし、読みやすさを意識しました。
チャット入力欄の周りは、写真、スタンプ、音声などを追加メニューにまとめ、必要なときに開く形にしています。入力欄は文章に合わせて最大4行まで広がり、書きかけの連絡は下書きとして残ります。
「了解」「ありがとう」「確認します」などを伝える、折り紙の鳥のスタンプも10種類用意しました。操作の説明には図解ガイドを入れ、使い始めに基本の流れを確認できるようにしています。
スマホのホーム画面に追加して使えるPWAという形式で、対応端末ではプッシュ通知も受け取れます。通知は端末ごとにオンにして許可する必要があり、iPhoneではホーム画面への追加も必要です。
通信が切れたときは、保存済みの内容を表示し、未送信の下書きを残します。送信やデータの更新は、接続が戻ってから行います。
今回の開発でまとめたこと
画面はReactとTypeScriptで作り、共有データやファイル、サーバーの処理にはFirebaseを使っています。Geminiは、音声からの文字起こしや文章の補正、紙の表の読み取りを担当します。
開発の途中では、在庫・発注・不足品の個別メニューを整理し、普段の対応はタスクへまとめました。現在のFoneには、在庫の自動計算や仕入先への自動発注、勤務シフトの自動作成は含めていません。連絡を読み、予定を確認し、必要な対応を残すところに機能をまとめています。
本番への配置を終え、ブラウザーでの操作確認を重ねています。端末ごとの通知やマイク入力など、実際のスマホで引き続き確かめていく部分もあります。
Foneは社内向けのアプリで、利用には登録済みスタッフのログインが必要です。
今日の準備を確認し、連絡して、やることを残す。その一連の操作が、食堂の仕事の中で自然に使えるアプリになるように整えています。

